函館とロシアの交流の歴史について研究している、函館日ロ交流史研究会のページです。 このページは、会報をはじめ、これまでの刊行物や活動成果を公開しています。

ウラジオストク建都150周年記念 姉妹都市展示訪問事業

2012年4月22日 Posted in その他

参加構成
函館日ロ交流史研究会 会員2名
函館日ロ親善協会 会員1名
はこだて外国人居留地研究会 会員1名

滞在日程
6月30日 ウラジオストク到着。日本総領事館での夕食会に出席
7月 1日 「ウラジオストク-函館」歴史展示会場・沿海地方国立アルセニエフ博物館分館でのオープニングセレモニーに出席
国際展示会「ヴラドエクスポ」(スポーツ複合施設「チャンピオン」)での姉妹都市展示作業・プレゼンテーションを実施
夕方から市長主催の公式レセプションに出席(海の駅「モルスコイバクザル」)
7月2日 ロシア国立極東文書館、アルセニエフ博物館本館を見学
市内散策
7月3日 ヴラドエクスポ参加証明書交付・撤収作業
アルセニエフ博物館分館で地元郷土史家・学生と懇談
アルセニエフ博物館本館で古地図展の展示解説を受け、ソコロフ館長と懇談
7月4日 国立ゴーリキー図書館見学
「ウラジオストク-函館 博物館電車」乗車体験
7月5日 アルセニエフ博物館本館で学芸員と懇談
ウラジオストクを後にする

1日目
 ウラジオストクに到着後市内へ向かうも交通渋滞がひどく、国際展示会場「ヴラドエクスポ」会場のスポーツ複合施設「チャンピオン」へは行けず、もう一つの「ウラジオストク-函館」展示会場の沿海地方国立アルセニエフ博物館分館へ向かう。会場で展示打ち合わせを行い、細かな作業は同博物館分館の学芸員ルスナク氏にお願いして日本総領事館での夕食会に出発。総領事館では、秋田・新潟・函館市の訪問団が顔を合わせ、情報交換を行った。

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日本総領事館での夕食後の記念撮影
函館・秋田・新潟と総領事館職員

2日目
 午前中に「ウラジオストク-函館」歴史展示会場・沿海地方国立アルセニエフ博物館分館でのオープニングセレモニーに出席、地元メディアの取材に対応する。午後からは国際展示会「ヴラドエクスポ」(スポーツ複合施設「チャンピオン」)での姉妹都市展示作業を行い、オープニングセレモニーを見学後、函館の歴史・観光などの紹介を行うプレゼンテーションを実施した。夕方からはウラジオストク市長主催の公式レセプションに出席、各国代表による歌と踊りのパーティーを楽しむ。

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展示風景と取材に応対するメンバー

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展示後の記念撮影

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アルセニエフ博物館分館
(以上アルセニエフ博物館)

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「ヴラドエクスポ」会場 函館展示コーナー

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姉妹都市プレゼンテーション

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ウラジオストク市長主催の公式レセプション

3日目
 ロシア国立極東文書館で資料閲覧・施設見学を行い、アルセニエフ博物館本館で実施されていたフランス大使館協力の展示「古地図に描かれた沿海地方」のオープニングセレモニー・展示を見学した。また、この日は空き時間を利用して市内散策を行う。

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アルセニエフ博物館本館と展示会場

4日目
 ヴラドエクスポ展示会場にて参加証明書の交付を受け、撤収作業を行う。その後、アルセニエフ博物館分館で地元郷土史家・学生と懇談。沿海州と函館の関係などについて質疑応答を行う。また、アルセニエフ博物館本館で行われていた古地図展の展示解説をソコロフ館長から受け、館長と懇談を行う。函館とウラジオストクとのこれまでの関係、今後の文化交流などについても話しをすることができた。

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参加賞の授与

5日目
 国立ゴーリキー図書館を見学。閲覧室だけではなく、書庫内も見学することができた。日本関係の書籍では富山県からの寄贈本が目立っていた。
 また、函館市とウラジオストク市が姉妹都市提携した後、アルセニエフ博物館が企画した「ウラジオストク-函館 博物館電車」に体験乗車して、ルスナク氏から経過説明などを受ける。

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「ウラジオストク-函館 博物館電車」

6日目
 アルセニエフ博物館本館で学芸員と懇談。アイヌ関係資料などについて質疑を行い、懇談後、ソコロフ館長に挨拶をして、ウラジオストクを後にする。

感想
 今回の事業は出発前の準備段階で会員相互・函館市との展示内容確認などを行い、市との調整を行うとともにアルセニエフ博物館とも調整を行うなど正に日ロ合作の展示であった。
 参加団体の1つ、函館日ロ交流史研究会は2005年の市民訪問団にも参加して函館とロシアの交流に関する展示を行ったが、その時に比べても日ロ両国がより友好的に協力しながら事業を実施できたことに、交流の深まりを感じた。
 直行便があれば函館からわずか2時間足らずの隣国ロシア、その距離以上の距離感を感じる人が多いが、やはり交流の主役は人であり、両地域の核となる人と人を結びつける今回の交流事業の重要さも実感できた。
 今回の訪問団は、函館日ロ交流史研究会、函館日ロ親善協会、はこだて外国人居留地研究会の若手主力メンバーであり、そのメンバーが連携して今回の経験を共有できたことは、今後の交流の大きな力になると思う。