[北海道新聞連載ゴシケーヴィチ領事報告書記事について]
2012年4月22日 Posted in 会報
・北海道新聞モスクワ支局の伊藤一哉記者が、モスクワのロシア帝国外交史料館で、初代駐日ロシア領事ヨシフ・ゴシケーヴィチの自筆報告書を入手しました。内容は、ゴシケーヴィチ領事が1858年から1865年までにロシア外務省に送った報告書28点のほか、外務省がゴシケーヴィチ領事にあてた指令書3点、ロシアが日本政府に送った公文書の控え3点、当時の函館の地図が2点などです。(=同紙7月26日朝刊)
これに続いて連載が組まれ、7月27日から8月3日まで計7回にわたり、夕刊紙面に記事が掲載されました。以下に、その見出しを紹介しましょう。
(1)「ヨルカ祭 奉行所役人らダンスに興味」(7/27)
(2)「絶景 苦心の末 領事館建設」(7/28)
(3)「商売熱心 医療、造船技術を提供」(7/29)
(4)「将軍と天皇 権力構造解明に腐心」(7/30)
(5)「攘夷 事件相次ぎ募る不信」(7/31)
(6)「対馬事件 乱れる指揮 漂う不満」(8/1)
(7)「限界 努力報われずに帰国」(8/3)
最終回には、ゴシケーヴィチの後任領事が、前任者の業績をほとんど否定する報告書を送っていたということが記されています。またゴシケーヴィチ自身も函館での活動に限界を感じ、最後は辞任願いを提出して帰国したのでした。
新聞には史料のほんの一部しか引用されていませんが、今後この史料が活用できるようになり、日ロ関係史の研究が進むことを期待したいと思います。
「会報」No.9 1998.8.11 ニュース・News・Новость