函館とロシアの交流の歴史について研究している、函館日ロ交流史研究会のページです。 このページは、会報をはじめ、これまでの刊行物や活動成果を公開しています。

はじめに

2012年4月26日 Posted in 函館で生まれ育ったロシア人 オリガさんを迎えて

 この度、函館日ロ交流史研究会では、函館にゆかりの深いオリガ・ズヴェーレヴァさんをお招きし、特別報告会「函館で生まれ育ったロシア人 オリガさんを迎えて」を開催いたしました。
 2003年には、当研究会設立10周年を記念してオリガさんのお姉さんであるガリーナさんをサンクトペテルブルグからお招きして、シンポジウム「大正・昭和期に函館に来たロシア人」を開催しておりますので、函館に住んだロシア人ズヴェーレフ家をご紹介する意味では2度目の報告会となりました。
現在、中米のキューバにお住まいのオリガ・ズヴェーレヴァさんは、1940(昭和15)年、ロシア革命後、日本に亡命してきたズヴェーレフ家の6人兄弟姉妹の4女として函館の松風町で生まれ、1954(昭和29)年まで多感な幼、少女時代を函館で過ごしました。当初は大門で喫茶店を、大火後は松風町で洋品店を営んでいたズヴェーレフ一家は、ロシア革命や第二次世界大戦など時代に翻弄された数奇な運命をたどって函館に居住しましたが、一家の中でもオリガさんは、大谷幼稚園、新川小学校、大森小学校、遺愛女学校に進まれるなど、多くの函館っ子に囲まれながら函館の古き佳き時代を最も長く過ごしました。
第2の故郷函館への里帰りともいえる今回の来函では、オリガさんから当時の函館にかかわる貴重なお話を聞かせていただきましたが、その内容を報告書にまとめることとしました。ズヴェーレフ家が住んだ当時の函館の街と人々の記憶を、後の時代へつなぐ一助となれば幸いと存じます。
最後に、本報告会は大勢の市民の方に参加していただき大成功に終わりましたが、遠路キューバからおいでくださったオリガ・ズヴェーレヴァさんはじめ、後援をいただきました函館市、ロシア極東国立総合大学函館校、市立函館博物館友の会、函館日ロ親善協会、関係諸氏には、心から感謝申し上げます。

函館日ロ交流史研究会 世話人代表長谷部一弘

2007 特別報告会  「函館で生まれ育ったロシア人 オリガさんを迎えて」