函館とロシアの交流の歴史について研究している、函館日ロ交流史研究会のページです。 このページは、会報をはじめ、これまでの刊行物や活動成果を公開しています。

「樺太の旅」記録フィルム紹介

2017年3月16日 Posted in 会報

 奥野進

 市立函館博物館が所蔵する16ミリフィルムのなかに「樺太の旅」記録フィルム(500815)という資料があります。このたび記録映画保存センターの協力によりDVD化することができました。
 「市立函館博物館蔵品目録3 歴史・民俗資料編」の説明書きには、小島清吉、昭和9年7月26日~8月1日の記載があります。
 小島清吉は、1928年(昭和3)の時点で函館商工会議所議員であり(「函館市史」通説編第3巻)、1939年(昭和14)には帝国製菓株式会社取締役を務めていました(「昭和14年版 函館要人録」函館日日新聞社)。1934年(昭和9)の函館といえば、3月21日に「函館大火」に見舞われたばかりであり、大火からわずか4か月しか経っていない中での、樺太訪問の目的も気になるところです。
 5分40秒ほど映像ですが、小樽?-稚内-大泊に至る船旅や市街地の様子、オタスの風景、列車での移動の様子等が映っていました。

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大泊港駅への到着

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オタスでの先住民の生活

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鉄道駅の物売り

 博物館所定の資料利用手続きで、閲覧等の利用が可能ですので、興味のある方は市立函館博物館までご相談ください。

(市立函館博物館勤務)

「会報」No.37 2016.7.31  史料紹介